世界の環境ホットニュース[GEN] 806号:アメリカGEを訴える藤田東吾氏を応援しよう

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     世界の環境ホットニュース[GEN] 806号 11年5月28日
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 アメリカGEを訴える藤田東吾氏を応援しよう         原田和明

サンデー毎日 5/29号によると、事故を起こした福島原発第1号機のメーカーで
あるゼネラル・エレクトリック社(GE)と、GEに原子炉の特許を与えた米国に、
損害賠償を求める訴訟を起こそうという動きが日本国内にあるとのこと。

訴えるのは、日本政府ではなく、イーホームズ社長の藤田藤吾氏。藤田氏とい
えば2005年に起きた耐震偽装事件で、構造計算書の偽装を公表したがために、
建築基準法改定の欺瞞を隠したい当局によって逆に逮捕されるという憂き目に
遭っています。

藤田氏はGEを訴える動機を5月1日付のブログで次のように語っています。(以
下引用)

 今、菅直人総理も、第一義的には責任は東電にあると明言するように、国民
 がヒステリックに東電の責任を追及している。マスコミがあおるからだ。し
 かし、これは間違っている。原子炉の特許を持ち、原発施設を設計施工した
 アメリカのGEがなぜ追及されないのか?

 耐震偽装のマンションだって、ヒューザーの小嶋社長を散々叩いたじゃない
 か。なぜ、原子炉のデベロッパーである、アメリカGEを叩かないのか!
 (中略)

 被害者はわれわれ国民だから、国民を代表して、弁護士会の協力を得て訴訟
 を行う。必ず行うのだ。オバマ大統領は謝罪をするだろう。お互いに、過去
 の負の遺産を引きずっていることを認めて、未来に向けて正していけばよい
 のじゃないか。(引用終わり)

そして、提訴に必要な、福島第一原発を発注したときの契約書と設計図書は、
経産省と財務省にあると見て、交渉しているが出さないという。藤田氏は「早
くしないと、放射能のだだ漏れで、中国、韓国、ロシア、アメリカ、カナダ等
が、いっせいに日本に対して 損害賠償を請求してくる」ことを見越して、4月
以来、「海江田大臣にも、内閣府の下村審議官にも何度も言ってきた。馬淵総
理補佐官にも言ってきた。しかし動かない。なぜだ?」と慟哭しています。

 5月17日のブログには訴訟戦略の一部が公表されています。(以下引用)

 アメリカのPL法は、人間が作った法の概念を超越し、まさに「神の法」なの
 である。創り出した者が全ての責任、時効もなく、過失の有無の議論もなく、
 立証責任はすべて負う、というものである。

 だから最初に結論を言えば、福島原発を作ったGEには 100%の責任が無過失
 責任として課せられ、原発に起因する全損害=ダダ漏れによる海洋汚染から、
 風評被害での野菜や魚、豚・牛の減価や殺りくなど、また放射能からの避難
 コストや土地の評価減、移住費や新規取得の家の建築コストなど、あらゆる
 ものの損害を、GEは責任を持って負担をしなければならない。・・(中略)

 また、GEが開発した原子炉の特許を許可したアメリカ合衆国と、GEを監督
 する権限を有するオバマ政権は、このGEが負担しなければならない損害賠
 償を、当然に連帯責任を負って負担するのだ。

 特に、「地球にやさしくない。人間にやさしくない。悪魔の原子力政策を
 推進してきたアメリカ政府」には、神の名を汚した責任が課されるのだ。

 既に、日本を代表する弁護士の先生方をはじめとする弁護士会の先生方、
 GEが行った福島原発の設計施工を研究スタッフとして観察していた世界的
 な研究者を始めとする大学教授の先生方、日本青年介護所の元会頭や現会
 頭、国難を憂う新の政治家など数多くの方々の協力と賛同を得て、日本国
 家を代表して、この訴訟の準備を進めている。

 訴訟は、第一に、GEの本社がある、UASワシントンDC において提訴する。
 同時に、国内においても同じく提訴し、アメリカやGEに対して常時支払わ
 れる交付金や思いやり予算などを仮差押えする考えだ。アメリカは自由の
 国である。だから、この訴訟の正当性を理解してくれると僕は期待する。
 (引用終わり)

もちろん、これに対して、GEにも米国にも賠償責任はないという意見もあり
ます。GEに法的責任が及ばない理由 [春名幹男「国際情報を読む」] (日刊ゲ
ンダイ2011/4/28)より以下引用。

 原発メーカー、ゼネラル・エレクトリック社(GE)のイメルト会長は、先に
 来日した際、余裕の表情を見せた。清水正孝・東京電力社長も国会で落ち
 着き払って答弁している。実は、原発に関わる企業は優遇制度で保護され
 ており、責任追及には高いハードルがあるのだ。

 第一、「原子力損害賠償法」に1994年の製造物責任法(PL法)は適用されない。
 GEの沸騰水型原子炉(BWR)をめぐっては欠陥論争もあったが、GEは 法的に
 事故責任を追及されない。いわば不平等条約だ。

 イメルト会長は原発事故収束へ「長期にわたって支援したい」と述べ、代
 替発電用のガスタービンを20機以上、東電に提供、震災被災者に 約8億円
 の援助を約束したが、これらはいずれも任意の寄付だった。

 重電機から金融まで手を広げるコングロマリットのGE。原発部門は総売り
 上げのわずか1%以下。昨年の利益は 142億ドル(約1兆2000億円)と好調だ
 が、法人税をほとんど支払っていないことが米国で表面化した。税務部門
 の1000人が、税の抜け穴をフル活用しているという。(引用終わり)

春名氏は「もともと不平等条約を結ばされている上に、相手は脱法行為のプ
ロ集団だから勝ち目はない。負け戦は最初からしない方がいい」と日本国民
を説得しています。なんだか、「やっぱりな・・・」と落胆しそうですが、
春名氏の役割はまさにこの点にあるのかもしれません。この春名氏について、
「世に倦む日日」氏は米国の対日情報工作員ではないか?との見方を示して
います。(2009年9月3日のブログより以下引用)

 一昨日(9/1)の 報道ステーションに春名幹男が出演して、NYタイムズが
 掲載して騒動になった鳩山論文について解説していた。その中身は、NYタ
 イムズと一部の米国の鳩山政権叩きの論調にそのまま追従して、鳩山由紀
 夫の「反米姿勢」を非難するものである。今回のNYタイムズの記事とその
 後の米国の日本叩きや、それを増幅して煽り立てている日本のマスコミの
 動きを見ると、どうも最初から「世論工作」の連携作戦が画されていた疑
 いがあり、仕組んだのは日本の対米盲従勢力ではないかという気がしてな
 らない。春名幹男本人も「工作」に加わっていた一人ではないのか。この
 元共同通信記者は妙に怪しい。(引用終わり)

藤田氏が提訴した場合、争点となるのは春名氏も認めている「GEの沸騰水型
原子炉(BWR)をめぐっては欠陥論争もあったが」という点でしょう。福島第1
原発1~5号機は、いずれもGEが1960年代に実用化した沸騰水型軽水炉マーク
1が採用されていますが(大事故に到らなかった福島第二原発は 改良タイプ
のマーク2型)、1970年代、すでにGE社内ではマーク1について「冷却機能
が失われると原子炉格納容器が内部からの負荷に耐えられず損壊する欠陥が
判明」していたという。

しかも、GE社の技術者が欠陥を指摘して会社に職を賭して改善を訴えたがGE
社はまったく動かなかったというのです。(ZAKZAK 2011.3.18より以下引用)

 事故原発は“欠陥品”? 設計担当ら35年ぶり仰天告白

 福島第一原子炉は米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発した。そのGE元
 社員のデール・ブライデンボー氏はロイター通信の取材に対し、福島第一と
 同型の原子炉について35年前に安全面での不安を指摘していたと打ち明けた
 のだ。そのうえで同氏は「分析が終わるまで一部の原発は閉鎖されるべきだ
 と思ったが、GE側は応じなかった。そのため、私はGEを辞めた」と、退社し
 た経緯を説明した。

 米ニューヨーク・タイムズも、米原子力委員会の専門家が1972年、この原子
 炉は水素がたまって爆発した場合、放射能を封じる格納容器が損傷しやすい
 ため、「使用を停止すべき」と指摘した、と報じた。

 今回、事故を起こしたのは「マーク1」という沸騰水型原子炉の一種で、60
 年代にGEが開発した。中心の燃料棒を圧力容器、さらにその外側をフラスコ
 状の格納容器で守っている。格納容器が小さく、設備建設費が安く済むため、
 計104基の原子炉が稼働している米国では 同型の炉が23基も稼働している。
 米国外にも9基あり、計32基が現在も運転中だが、格納容器が小さいゆえに、
 水素爆発で損傷するリスクが高いというのだ。(引用終わり)

まさに40年前に指摘されていたことが今起きているのです。放置されたが故に。
春名幹男氏の宣伝工作に乗せられて諦めるのは早すぎる。今回の原発事故は、
わかっていた欠陥を放置してきたGE社に責任がないはずがありません。この欠
陥問題は国内で23基も稼働している米国の問題でもあるのです。米国でも「デ
モクラシーナウ」という番組が原子力の専門家を招いて、問題点を指摘してい
ます。ジャーナリスト、高橋浩祐のオフィシャルブログ(2011.3.27)より(以
下引用)

 (男性キャスターの質問) 
 福島第一原発は、アメリカ国内の原発とどの程度、同じなのか?

 (原子力専門家の答え)
 アメリカの原子炉の23基とほぼ同一です。例えば、イリノイ州のクオード市
 とドレスデンの原発、ここバーモント州のバーモントヤンキー原発、ニュー
 ジャージー州のオイスタークリーク原発、マサチューセッツ州のピルグリム
 原発など。どれも福島原発とほぼ同一で、ほかにも何十とあります。
 
 この原子炉の設計、格納容器の設計は1972年以来、問題となってきたもので
 す。NRC(米原子力規制委員会)は1972年に「我々は この格納容器の使用を
 決して 許可すべき ではなかった」と言明しました。そして、1985年には、
 NRC は「当委員会としては、およそ90%の確率でこの格納容器が駄目になる
 という深刻な事故が起きる、と想定している」と公表しました。つまり、私
 たちが今、福島原発で見ていることとは、弱い相関性があることを示してい
 ます。GE製のマーク1型が 当の問題です。アメリカにある104の原子炉のう
 ち23が福島原発とほぼ同じですから、ほぼ4分の1となっています。(引用
 終わり)

GE提訴は日本だけの問題ではない。そして、負け戦と決まっているわけではな
いのです。だからGEも米国政府も従米政権である日本政府も藤田氏の提訴を早
い段階で摘んでおきたいはずです。その証拠に藤田氏に対する嫌がらせは既に
始まっています。(藤田藤吾のブログ5月24日付より以下引用)

 午後4時半から、有楽町の電気ビルにある「外国特派員 協会」で、この震災
 による福島原発の爆発と放射能漏れによる損害賠償の責任はGE(ジェネラル・
 エレクトリック)にあるとして、訴訟を起こす記者会見を行う予定だ。

 果たして、報道の自由を謳う、偽国特派員協会は我々のGE訴訟の会見を受け
 入れるか? これが一番の問題である。

 GEは世界最大の企業である。あのエジソンが創業した会社だ。世界中のあら
 ゆる所まで、GEの権力の網の目は行き届いている。その環境の中、GEを訴訟
 するなど大ばか者のやることで、殺されるぞ、だれも味方などしない、そう
 言われてきた。

 果たして本当にそうだろうか? もし、GEが悪いことや失敗をしたりしても、
 だれも恐れて何一つ忠告さえできない。そんな馬鹿な話があるだろうか?
 僕はそんなことは絶対に信じないし、「Dream come True」を 宣言したエジ
 ソンが許すはずがないと思う。必ず、明日、有楽町の外国特派員協会で記者
 会見は行えるはずだ。そう信じて、つたない英語で、記者会見を申し込んだ
 プロポーザルの文章をいかに掲げようではないか。

 今も、僕らの記者会見を開かせまいとする講義や妨害の電話がひっきりなし
 のようだ。僕の家の前にも数回生ごみがばら撒かれて、子供の自転車のタイ
 ヤがずたずたに切り裂かれた。

 しかし、この記者会見は必ず行われなければいけないはずだと思う。日本は
 自由であることを、ジャーナリズムは存在することを、世界に対して宣言す
 るためにも!(引用終わり)

残念ながら、GE提訴の記者会見は外国特派員協会の判断で中止となり開催日程
は未定となりました。外国特派員協会にも横槍が入ったのでしょう。

日本政府は、大震災に関する国民負担を少しでも軽減すべく、米軍への思いや
り予算のカットなど米国と交渉すべきなのに何もせず、復興財源がないという
理由で東北の被災者は放置され、原発被害も国民負担にしようとしています。
対米従属の日本マスコミは当然GE提訴の動きを完全に無視しています。だから
こそ、一寸の虫にも五分の魂。強大なGEと米国に立ち向かう藤田氏を応援しま
しょう。

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【ブログ内関連記事】
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●「日本の規制当局、原子炉のぜい弱性を軽視」(ウォールストリート・ジャーナル 3/23)
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●大前研一氏 東京電力の危機管理能力が低下した原因を指摘(SAPIO)
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ましこ
2011年11月04日 18:19
放送批評懇談会が選ぶベスト番組【ギャラクシー賞月間賞】
アメリカは原発の欠陥を知っていた!~ETV「アメリカから見た福島原発事故」
(GALAC 2011年11月号掲載) …
…8月14日放送 22:00~23:30 日本放送協会

 福島の原発事故が起きた時、東京電力や原子力の関係者が口をそろえて語ったのは、地震と津波が未曾有の大きさであり、こういうものに襲われるのは「想定外」だったという責任回避ともとれる発言…。 
 しかし、この番組に次々に出てくるアメリカの技術者や研究者の話を聞くと、我々素人でもはっきりわかるレベルで愕然とさせられる。アメリカでは既に1980年代以前に、福島と同じタイプの原発(GE社製のマークI型)の構造上の問題が指摘され、格納容器の構造の検証などを通じて、大事故が起きる可能性が議論されていた…。「マークI」を廃止すべきかどうかの議論が行われていた…。 
 そういうモノが日本に輸出され、福島に建設されたのだ。当然、日本には原発建設のノウハウはなく、すべてGEまかせだったろう。その後のアメリカでの議論がどこまで日本に伝わっていたの…か。
 「日本に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。こんなことが起きるのでは、…」。
 マークIの構造上の問題を最初に提起した元GEの主任技術者だった人物…。…自らの進言が会社に受け入れられずに、「マークIを停止させればGEの原発ビジネスは終わりだ」という会社の姿勢の前に、GEを退社…。
 そして、福島の事故はアメリカの研究者たちの想定どおりに進んだ。全交流電源喪失 → 炉心温度の急上昇 → 炉心溶融 → メルトダウン → 水素爆発……。
 ただし、アメリカでもマークIの問題はうやむやになっている…。番組では、原子力規制委員会(NRC)や研究者に対する産業界からの圧力にも言及…。(戸田桂太)

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