JR脱線山崎前社長最終弁論「予見は不可能」無罪主張 (産経新聞)ほか

JR脱線山崎前社長最終弁論「予見は不可能」無罪主張
産経新聞
9月30日(金)15時48分配信

 平成17年4月、兵庫県尼崎市で乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故で、現場を急カーブにしたにもかかわらず事故防止のための自動列車停止装置(ATS)整備を怠ったとして、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長、山崎正夫被告(68)の第27回公判が30日、神戸地裁(岡田信(まこと)裁判長)で始まった。弁護側が最終弁論を行い、「事故の発生を予見するのは不可能だった」とあらためて無罪を主張。検察側は禁錮3年を求刑しており、午後に結審して判決期日が指定される。

 弁護側は最終弁論で、事故は予見可能だったとする検察側主張について「事実の裏付けを欠く空論で、論理が破綻している」と指摘。

 山崎被告が鉄道本部長だった8年12月、現場を急カーブに変更する工事が完成し、事故の危険性が高まったとの主張に対しては「ATS整備を要求されるほど、リスクは高まっていない」と強調した。

 また、工事の完成直前にJR函館線で起きた貨物列車の脱線事故についても、「山崎被告は『ATSなら防げた』とした社内資料を見た記憶がなく、カーブで起きた事故との認識もない。予見可能性の根拠になり得ない」などと反論した。

 ■遺族の期待「裏切られた」

 昨年12月の初公判から9カ月。事故の真相解明を求めて過去最多となる54人が被害者参加したJR脱線事故公判が結審する30日、長女の容子さん=当時(21)=を亡くした奥村恒夫さん(64)=兵庫県三田市=は体調を崩し、傍聴に行くことができなかった。「山崎正夫被告には、最後に自分の本心を語ってほしい」。真相に近づけるのではとの期待は、裏切られたとの思いが強い。

 《彼の真意を聞きたかったけど、事前にお父さんの質問内容が渡っていて勉強していたのでしょう。空振りだったと思います》

 法廷で、山崎被告に直接質問した翌日の6月10日。奥村さんは事故発生の日から容子さんへの思いを書き続けている日記にこう記した。質問に答える山崎被告は、組織の一員としてJR西の方針に沿い、真意とは異なる発言をしているように見えたという。

 娘の命を奪った事故がなぜ起きたのか。原因を追究しようと、裁判所へ足を運び続けた。被害者参加制度を利用し、山崎被告への直接質問だけでなく、意見陳述も行った。

 しかし、いま振り返ると、争点があまりにも細部に偏っていたとの思いばかりが浮かぶ。山崎被告が社内資料を見ていたか、部下の報告を聞いていたか…。そんな議論からは、事故が起きた本当の原因は見えてこなかった。

 何度も体調を崩し、傍聴を続けるのは楽でなかった。「お父さん、そこまでしなくてもいいよ」とねぎらってくれる容子さんの声が聞こえるような気がする。それでも、自分で確かめたかった。「判決のときは、法廷で結末をしっかり見届けたい」。真相が解明されるまで、歩みを止めるつもりはない。

【用語解説】JR福知山線脱線事故

 平成17年4月25日午前9時18分ごろ、兵庫県尼崎市のJR福知山線カーブで快速電車が脱線。マンションに衝突し乗客106人と運転士が死亡した。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時)は最終報告書で、事故の直接原因を運転士のブレーキ操作が遅れ、制限速度を46キロ上回る116キロでカーブに進入したとしながらも、ATSが設置されていれば事故は防げたと指摘。神戸地検は21年7月、業務上過失致死傷罪でJR西日本の山崎正夫社長(当時)を在宅起訴。歴代3社長も検察審査会の議決に基づき昨年4月に強制起訴された。

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最終更新:9月30日(金)16時4分

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