超光速素粒子ニュートリノ、27日から検証実験 相対論の行方、世界が注目 (産経)

超光速素粒子ニュートリノ、27日から検証実験 相対論の行方、世界が注目
産経
 2011.10.23 01:07 [知の先端

画像 素粒子ニュートリノが光よりも速く飛ぶとする名古屋大などの国際研究チームの実験結果公表から23日で1カ月。現代物理学を支える相対性理論に反する結果に研究者の多くは半信半疑で、議論は混迷している。事態を打開するため、研究チームは今週から追加実験を開始する方針を固めた。“世紀の大発見”か測定誤差か。謎の解明に向けて検証が始まる。(小野晋史)

 今月20日、千葉県柏市の東大数物連携宇宙研究機構。素粒子論や数学、天体物理などの国内外の研究者100人以上がホールに集まった。名古屋大の小松雅宏准教授が実験結果を英語で説明すると、会場から実験の精度などを疑問視する質問が飛んだ。

 「時間の計測に問題はないのか」「1987年の超新星爆発に伴うニュートリノが光とほぼ同時に地球に届いた観測結果と食い違うのでは」

 これに対し小松准教授は丁寧に説明を重ねたが、議論は平行線に終わった。参加した男子大学院生は「これが本当ならすごいこと。検証結果を待ちたい」と関心を寄せた。

■時間に誤差か

 実験結果は大きな反響を呼び、研究チームには世界から600件以上の反論や提案が届いた。小松准教授らは同機構のほか、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)や東大宇宙線研究所の研究施設(岐阜県飛騨市神岡町)などに出向き、説明に追われた。

 外部からの指摘で多かったのは、「時間」の測定誤差が影響した可能性だ。

 ニュートリノは極めて微小で他の物質とほとんど反応しないため、検出が非常に難しい。そこで研究チームは、ニュートリノの生成原料となる陽子が検出器を通過した時刻から、ニュートリノの発射時刻を間接的に推定する手法を使った。

 茨城県東海村から神岡町にニュートリノを飛ばす「T2K」実験を指揮する小林隆高エネ研教授は「この推定部分が論理として切れている。例えば、最初から最後までニュートリノは生成できていたのか」と疑問を呈する。

 こうした指摘を受け研究チームは今月27日から、再びニュートリノを発射する追加実験を行う。陽子の通過時刻だけでなく、新たな検出器を設置して発射直後のニュートリノの通過時刻もとらえ、時間計測の正しさを立証する計画だ。実験は約10日間の予定で、結果を論文にまとめる。

 一方、ニュートリノの発射地点と到達地点では標高が異なるため、重力がわずかに違う。この影響で両地点で時計の進み方が合っていなかったのでは、との指摘もある。しかし、小松准教授は「検証済みで問題ない」との立場だ。

 研究チームの中村光広名古屋大准教授は「1カ月が経過して議論は出尽くしたようだ」と話す。ただ、決着には他の研究機関による追試が不可欠。同様の実験はT2Kと米国で行われてきたが、検証実験の計画はまだ具体化していない。

 

■結論には慎重

 今回の結果が正しければ「質量を持つ粒子は光速を超えない」とするアインシュタインの特殊相対性理論(1905年)は見直しを迫られ、現代物理学に計り知れない影響を与える。

 このため物理学者の多くは結論を急ぐべきではないと主張する。高エネ研の野尻美保子教授は「これまで培われた相対論の信頼性はそう簡単に揺るがない。まずは実験を再検証すべきだ」と慎重だ。中村准教授も「われわれは相対論を否定しようと思っているのではない」と強調する。

 現代物理学の根幹を問う歴史的な議論の行方を、世界中の科学者が固唾をのんで見守っている。



●アインシュタインはやはり正しい?天文学者が「相対性理論を立証」(AFP)
http://sociologio.at.webry.info/201109/article_83.html
●ニュートリノの速度は光の速度より速い、相対性理論と矛盾 CERN( AFP)ほか
http://sociologio.at.webry.info/201109/article_67.html

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