<生活保護家庭>貧困連鎖防止へ学習支援 来年度から補助金 毎日新聞

<生活保護家庭>貧困連鎖防止へ学習支援 来年度から補助金
毎日新聞
10月24日(月)12時56分配信

 生活保護を受給する家庭の子が成人後も貧困から抜け出せなくなる「貧困の連鎖」を断とうと、厚生労働省は12年度から本格的な対策に乗り出す。親の経済的困窮が子供の低学歴を招き連鎖を生んでいるとの調査もあり、一部の自治体が取り組む学習支援を全国規模に広げたい考えだ。補助金として11年度の6倍以上になる53億円を12年度予算に概算要求している。【石川隆宣】

 生活保護受給者は6月時点で204万人と過去最多に迫る。しかし国が子供の貧困を社会問題と位置づけたのは最近で、生活保護制度で高校の進学費を支給するようになったのは05年度。自治体の学習支援へのサポートも09年度からだ。

 現在、国の補助金で学習支援を実施しているのは71自治体。埼玉県は10年度から大学生らがマンツーマンで中学生を教える学習教室を始めた。県内では09年度、受給世帯の高校進学率が86.9%だったが、10年度は教室に参加した生徒160人の98%(156人)が進学を果たした。

 貧困の連鎖を裏付けるデータは少ないが、厚労省が本腰を入れる契機になったのは、道中隆・関西国際大教授(社会保障論)らの共同研究だ。ある政令市で08年と10年、生活保護を受給するシングルマザー318人の記録を行政の協力の下で抽出調査したところ、約3割の102人が親も生活保護を受給。うち7割近くが中卒か高校を中退していた。

 民間による支援も広がっている。反貧困に取り組む市民団体や個人でつくる「『なくそう! 子どもの貧困』全国ネットワーク」は9月、学習支援の実態調査を始めた。課題を共有し、支援の充実につなげるためだ。

 東京都豊島区では弁護士と大学生のグループが学習会を毎週開催。補助金は受けず、公共施設を借りて手弁当で小学生の宿題やドリルを手伝っている。発起人で弁護士の谷口太規さん(32)は「すぐ目に見える効果は出ないが、学習支援を広げることが貧困問題解決への第一歩。行政には民間のノウハウを取り入れ、教育現場とも連携して取り組んでほしい」と話す。

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<記者の目>生活保護200万人の時代=小林多美子
最終更新:10月24日(月)18時1分



<ことば>子どもの貧困率
年間等価可処分所得が112万円以下(09年の場合)で暮らす17歳以下の割合。経済的困窮から教育や文化的活動などの機会に乏しく、低学力・低学歴に陥りやすいとされる。大人になっても不安定な労働や生活を余儀なくされることがあり、「貧困の世代間連鎖」が問題になり始めている。

毎日新聞 2011年7月29日 東京朝刊





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ブラジル人学校、消えゆく生徒 失業の親、学費払えず
asahi.com 2008年12月28日
18時12分

 日本の学校になじめずブラジル人学校に通う子どもたちが、その居場所も次々に奪われている。製造業の現場を支えてきた日系ブラジル人労働者たちが「派遣切り」などで職を失い、授業料を払えなくなっているからだ。冬休みが終わって新学期を迎える時、友だちはどれだけ減っているのだろうか。

■日本語不自由、公立校に行けず

 1歳から中学生まで50人のブラジル人が通う滋賀県愛荘町のサンタナ学園で25日、クリスマスパーティーが開かれた。日系ブラジル人2世の中田ケンコ校長(52)の発案で、学校に来られなくなった子も集まり、久しぶりに70人以上が顔を合わせた。

 暗い表情だった子も、ケーキやプレゼントを前にして笑顔を取り戻した。「また来るからね」。そう言って帰っていった。だが、小学生の年代の男の子が泣きながら漏らした言葉が中田校長の胸に突き刺さった。「お父さんの仕事さえ見つかったら、すぐに学校に来られるのに」

 大手製造業の工場が立ち並ぶ滋賀県には、近畿で最も多くのブラジル人が住む。県内四つのブラジル人学校には今夏に602人が通っていたが、今月18日時点で2割減の470人に。ブラジル人学校を去ると、日本語が不自由で公立校に転入できす、就学しなくなる子が多いという。

 サンタナ学園では11月ごろから、送迎や給食の費用込みで3万5千円の月謝を払えなくなり、通学をやめる子どもが増えた。今年1月に18人でスタートした小学3・4年のクラスは8人に。さらに3人が年明けの新学期から来なくなる。工場で働く親の仕事がなくなるためだ。

 「払ったら食べられない。食べたら払えない」。親たちの悲痛な声が届く。クリスマス会を終えた中田校長は「次にこの子たちの笑顔に会えるのはいつなのか」と表情を曇らせた。

■通学児、3カ月で半減

 幼稚園児と小学生が通う岡山県総社市のブラジル人学校「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」。今月から通えなくなったアマンダ・サユリ・シルベストリさん(9)はうつむいた。「家で勉強していても、わからないことを先生に聞けない。友だちにも会えないし、つまらない」

 9月に24人いた児童が今月22日には10人になった。運営するNPO法人ももたろう海外友好協会の枝松孝典理事長(42)は「刻一刻と状況は悪化しており、年明けには児童がいなくなるかもしれない」と危機感を募らせる。

 日本の学校になじめず未就学となる子どもをなくそうと今年4月に設立。ブラジル人教員3人がポルトガル語や母国の歴史など、日本人ボランティアが算数や社会などを教えている。月3万円の授業料と、市の助成金や寄付で運営している。

 児童の親の大半は、派遣社員などの非正規労働者。10月から「授業料や給食費が払えない」との連絡が相次いだ。地元には、水島コンビナートにある自動車関連企業の下請け工場が多い。秋以降、非正規労働者の「雇い止め」や中小企業の廃業が相次いだ。ブラジル人労働者は4月の662人から今月18日時点で618人に減った。

 学校は、通えなくなった子どもに日本人ボランティアの授業だけでも無料で受けられるようにしてきた。今後、ブラジル政府に教員や教科書の支援を要請するという。

■国内に100校、半分は私塾

 日系外国人の2世と3世には90年以降、就労制限のない在留資格が認められ、法務省の統計では在日ブラジル人は91年の11万9千人から07年には31万7千人に増えた。不況下で失業し、子どもがブラジル人学校に通えなくなるケースは各地で相次いでいる。

 海外日系人協会(横浜市)には、日系のブラジル人やペルー人から「会社をクビになり寮を出て行けと言われた」「子どもをブラジル人学校から退学させた」などの電話相談が1日40~50件寄せられ、昨秋の5割増。言葉の壁から非正規雇用者が多く、不況下では真っ先に切られやすい。

 同協会などによると、ブラジル人学校は国内に約100校。税制上の優遇や公的支援がある各種学校の認可を受けられているのはごく少数で、大半は私塾。運営費の多くを授業料でまかない、保護者の負担が大きい。

 日系ブラジル人のリリアン・テルミ・ハタノ甲南女子大准教授によると、ブラジル人学校は日本の学校になじめない子どもの受け皿になってきた。「日本社会がブラジル人の子どもの教育を置き去りにしてきたつけが、今になって表れている」と指摘する。(江口潤、高久潤)

    ◇

 海外日系人協会はブラジル人・ペルー人学校などを支援する緊急募金を始めた。郵便振替で、口座名は「財団法人海外日系人協会」、口座は「00100・5・703428」。通信欄に「在日日系人緊急支援募金」と記す。問い合わせは同協会(045・211・1780)へ。午前9時半から午後5時半まで。29日~1月4日は休み。

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